皆さんは「奇特な人」と聞いてどんな人を思い浮かべるでしょうか。
実はこの「奇特」という言葉の意味を間違って覚えている方が多いんです。普段あまり耳にする・使うという機会は少ないと思いますが、使う際にはしっかりと意味を理解しておきたいですね。
この記事では「奇特」の意味や使い方について解説をしています。
「奇特」の本来の意味

まずは「奇特」の意味について見ていきましょう。
- 心がけや行動が優れていて感心なこと
- 特に優れていて珍しいこと
「奇特」には「心がけや行動が優れていて感心なこと」、「特に優れていて珍しいこと」と言った意味があります。例として挙げますと「彼は今では珍しい大変奇特なお方だ。」というような使い方をします。
見て分かります通り「奇特」は褒め言葉のことです。冒頭で少し触れましたが「奇特」の意味については間違って覚えている方が多いですが、皆さんの覚えていた意味と一致していたでしょうか。
「奇」という字が何となく「奇妙」「怪奇」「奇行」と言った言葉を連想させてしまうので、どうにも褒め言葉とは捉えづらいですよね、今まで違った意味で使っていたという方は難しいと思いますが、褒め言葉のことだとしっかりと理解しておきましょう。
「奇特」の間違った意味

「奇特」は褒め言葉の意味がありますが、間違った意味で使っている人も多いです。その意味とは簡単に言いますと「変な人」という意味です。私自身もこのような意味で使っていました。
「奇特」という言葉の「奇」という字が何となく「奇妙」「怪奇」「奇行」などのマイナスのイメージをしてしまう言葉を連想してしまいます。
こう言ったことから「奇特」を「変な人」と間違った意味で捉えてしまうのは仕方がないのかなとも思えますよね。
文化庁が毎年行う「国語に関する世論調査」の結果についてという16歳以上の男女2000人を対象とする日本人の国語力を問うもので、「奇特」の正しい意味についてしっかりと理解がされているか調査が行われましたが、そちらでも「奇特」を「変な人」と間違った意味で捉えてしまっている方は多かったです。
調査の内容は平成14年度ものですが、正しい回答をした方が49.9%、誤用とされているものを正しいと思っている方がおよそ25.2%という結果でした。
- (ア)優れて他と違って感心なこと・・・・・・49.9%
- (イ)奇妙で珍しいこと・・・・・・ 25.2%
- (ウ)(ア)と(イ)両方・・・・・・4.1%
- (エ)(ア)と(イ)とは全く別の意味・・・・・・4.1%
- (オ)分からない・・・・・・16.7%
この調査の内容は平成14年度ものですが、今ではもっと増えているかもしれませんね。

「奇特」の誤用の流布は「週刊少年ジャンプ」?

「奇特」という言葉の「奇」という字から「奇妙」「怪奇」「奇行」などのマイナスのイメージをしてしまう言葉を連想してしまい、間違った意味として捉えてしまうという話をしましたが、どうやら「週刊少年ジャンプ」の影響で行が広まったという説もあるようです。
というのは、かつて週刊少年ジャンプに「ジャンプ放送局」という読者投稿のコーナーがあり、その中の「奇特人間大賞」という企画が誤用の広がりの1つではないかという説です。
このコーナーのコンセプトが「身近にいる変なやつ大集合」だったので、「奇特=変な人」という共通認識になっていったそうです。
若い世代に絶大な人気を誇る「ジャンプ」だからこその「国語に関する世論調査」の結果なのかもしれませんね。
「奇特な人」ってどんな人?褒め言葉?それとも貶されている?まとめ
「奇特」の意味について詳しく見ていきました。
- 「奇特」の意味:心がけや行動が優れていて感心なこと、特に優れていて珍しいこと
- 「奇特」の誤用:変な人、奇妙な人で、国語に関する世論調査では誤用とされているものを正しいと思っている方がおよそ25.2%という結果だった
「奇特」の「奇」から「奇特=変な人」というイメージが強いですが、実際には簡単に言うとその人を褒めるという意味の言葉でした。人前で使っても恥をかかないように、不安だと思った漢字であればしっかりと調べて間違わないようにしていきたいですね。


