「彼は分かっていてやっている確信犯だ!」なんて言葉をこういった言い回しで使ったことはないでしょうか。実はこの「確信犯」という言葉は、誤用が多いということで有名な言葉なんです。
現在では、国語辞典に載ってしまうくらい誤用の方の意味が定着してしまっていますが、本来の意味を理解しているとかっこいいですね。
「確信犯」の本来の意味、その使い方について見ていきましょう!
「確信犯」の現在使われている意味

多くの方が使われている「確信犯」の誤用とされている意味は「悪いことだと分かっていてやってしまう行為・犯罪」といった意味です。
皆さんも1度はこういった意味で使ったことがあるのではないでしょうか。かくいう私自身もこういうニュアンスの意味で使っていました。(使っています。)
やっていけない、言ってはいけないと分かっていても実際にやってしまう、言ってしまう、わざとやっているのに偶然を装うという感じで使われていますが、実はこの使い方は本来の「確信犯」の意味とは違います。
一体どんな意味があるのか気になりますよね。
「確信犯」の意味

「確信犯」の本来の意味は「道徳的・宗教的・政治的・経済的などの理念や信念に基づいて実行される犯罪、またそれを行う人のこと。」です。
少し難しいですが、良いか悪いかは世間的には分からないけれど自分が信じたものを行なった結果、犯罪になってしまうこと、です。重要なところが「自分が正しいと信じている」という点で、上で紹介をした誤用とされている意味とは全く違いますね。
違いについてざっとおさらいをすると、本来の意味が「正しいと信じてする犯罪のこと。」、誤用として広まっているのが「悪いこととは分かっていてもする行為のこと。」ですね。
現在は「確信犯」の誤用が誤用でない?

「確信犯」の誤用が多くの方に広まっているということから、国語辞典などでも本来の意味に加えて誤用とされている意味も載るようになりました。
というのは、文化庁が毎年行う「国語に関する世論調査」の結果についてという16歳以上の男女2000人を対象とする日本人の国語力を問うもので、「確信犯」の正しい意味について調査が行われていました。
調査の内容は平成14年度ものですが、誤用とされているものを正しいと思っている方が58%、実に半数以上の方が間違った回答をしていました。
誤用とされているものが世間に多く広まっているということから、誤用ではなく、もはや新しい意味として国語辞典などにも載るようになりました。
なので、誰かがわざとしたのに偶然を装った行為について「確信犯」という言葉を使うことも誤用ではなくなっているようです。
「確信犯」の意味や使い方とは?多くの人が誤用している?まとめ

「確信犯」の本来の意味やその使い方について見ていきました。
簡単にまとめますと本来の意味が「正しいと信じてする犯罪のこと。」、誤用として広まっているのが「悪いこととは分かっていてもする行為のこと。」ということでした。
平成14年度の「国語に関する世論調査」の結果では58%が回答していましたが、16%の方は正しく回答していました。今では誤用というわけではないですが、どちらの意味も正しく理解しているとどちらの場合でも対応できるので、この機会に覚えて見てくださいね。