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「世界遺産」と「文化遺産」と「自然遺産」の違いは何?

世界には「ユネスコ(UNESCO)」という国際連合の専門機関によって認定された「世界遺産」があります。長い歴史の中で建造された立派な建造物や、美しい自然など、どれも素晴らしいものばかりですよね。これらの「世界遺産」は「文化遺産」と「自然遺産」に分けられますが、「世界遺産」と「文化遺産」と「自然遺産」、どのような基準でそれぞれ定められて、それぞれにどんな違いがあるのか気になりますよね。

この記事で、そんな「世界遺産」と「文化遺産」と「自然遺産」の違いについて見ていきましょう。

「世界遺産」と「文化遺産」と「自然遺産」の違い

「世界遺産」と「文化遺産」と「自然遺産」の違い

「世界遺産」と「文化遺産」と「自然遺産」の違いは以下の通りです。

この記事のまとめ
  • 世界遺産」:人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を有する文化財や自然、景観などの不動産の総称のこと
  • 文化遺産」:「世界遺産」の分類の1つで、「顕著な普遍的価値」を有する記念物、建造物、遺跡などの文化財のこと
  • 自然遺産」:「世界遺産」の分類の1つで、「顕著な普遍的価値」を有する自然や地形、越滅危惧種に指定される動植物などのこと

「世界遺産」は「顕著な普遍的価値」を有する文化財や自然、その景観などの不動産の総称のこと、「文化遺産」は「世界遺産」の分類の1つで、特に文化財のこと、「自然遺産」とは「世界遺産」の分類の1つで、特に自然や地形、越滅危惧種に指定される動植物などのことを指します。

「世界遺産」は歴史的・自然的に価値のある遺産のことで、それを「文化遺産」と「自然遺産」に分類しているんですね。

また、この他にも「文化遺産」「自然遺産」の両方の基準を満たす「複合遺産」、後世にその遺産を残すことが難しい、懸念される「世界遺産」である「危機遺産」があります。

「世界遺産」「文化遺産」「自然遺産」とは

「世界遺産」「文化遺産」「自然遺産」とは

「世界遺産」について詳しく

「世界遺産」とは1972年に「ユネスコ(UNESCO)」総会で採択された「世界遺産条約」に基づいて、「世界遺産一覧表」に登録された、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を有する文化財や自然、その景観などの不動産の総称のことです。

「世界遺産条約」は別名「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」と言い、「世界遺産」を認定するその目的はその名の通り、歴史的・自然的に価値のある遺産の保護にあります。

「世界遺産」は、各国政府が推薦するリストの中から、設けられている基準に該当しているか「国際記念物遺跡会議(ICOMOS)」の審査を経て、21の参加国からなる「世界遺産委員会」の最終審議が通って「世界遺産」に認定されます。

登録の対象となるものは移動が不可能な不動産であるため、その土地や建造物に限られます。お寺が「世界遺産」になったとしても、中にある仏像などはその対象にはなりません。しかし、東大寺の大仏などはその大きさから移動が困難とされるので、そう言った場合はその限りではありません。

また、後世にその遺産を残すことが難しい、懸念される「世界遺産」のことを「危機遺産」と言います。

「文化遺産」について詳しく

「文化遺産」とは「世界遺産」の分類の1つで、世界遺産委員会の登録基準を通った「顕著な普遍的価値」を有する記念物、建造物、遺跡などの文化財のことです。

世界文化遺産」とも言います。

「文化遺産」の登録基準6つで以下のものになり、認定されるためには1つ以上の基準を満たす必要があります。

  1. 人類の創造的才能を表現する傑作。
  2. ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  3. 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
  4. 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
  5. ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
  6. 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)
  7. 文化遺産(世界遺産) Wikipediaより引用

日本には奈良県の「法隆寺地域の仏教建造物」や兵庫県の「姫路城」など、合わせて19件の「文化遺産」があります。(2020年7月現在)

「自然遺産」について詳しく

「自然遺産」とは「世界遺産」の分類の1つで、世界遺産委員会の登録基準を通った「顕著な普遍的価値」を有する自然や地形、越滅危惧種に指定される動植物などのことです。

世界自然遺産」とも言います。

「文化遺産」と同じようにこちらは4つですが「自然遺産」にも登録基準があり、認定されるためには1つ以上の基準を満たす必要があります。

  1. ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
  2. 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
  3. 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
  4. 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

自然遺産(世界遺産) Wikipediaより引用

日本では「文化遺産」に比べると数が少なく、鹿児島県の「­屋久島」、青森県・秋田県の「白神山地」、北海道の「知床」、東京都の「­小笠原諸島」の4件が「自然遺産」として登録されています。(2020年7月現在)

「複合遺産」というものもある

「複合遺産」というものもある

「世界遺産」には設けられている基準をもとに「文化遺産」と「自然遺産」に分類がされますが、「文化遺産」「自然遺産」の両方の基準を満たす「複合遺産」というものもあります。

2020年7月現在の日本では「複合遺産」に該当するものはありませんが、ペルーの「マチュ・ピチュ」や、オーストラリアの国立公園である「ウルル=カタ・ジュタ国立公園」をはじめとする「複合遺産」が世界には39件あります。

「世界遺産」と「文化遺産」と「自然遺産」の違いは何?まとめ

呼称 意味 備考
「世界遺産」 人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を有する文化財や自然、その景観などの不動産の総称のこと 21の参加国からなる「世界遺産委員会」の最終審議が通って「世界遺産」に認定される
「文化遺産(世界文化遺産)」 「世界遺産」の分類の1つで、「顕著な普遍的価値」を有する記念物、建造物、遺跡などの文化財のこと 日本には奈良県の「法隆寺地域の仏教建造物」や兵庫県の「姫路城」など、合わせて19件の「文化遺産」がある
「自然遺産(世界自然遺産)」 「世界遺産」の分類の1つで、「顕著な普遍的価値」を有する自然や地形、越滅危惧種に指定される動植物などのこと 日本では鹿児島県の「­屋久島」、青森県・秋田県の「白神山地」、北海道の「知床」、東京都の「­小笠原諸島」の4件が「自然遺産」として登録されてい
「複合遺産」 「文化遺産」「自然遺産」の両方の基準を満たしたもの 日本にはない
「危機遺産」 後世にその遺産を残すことが難しい、懸念される「世界遺産」のこと 日本にはない

「世界遺産」と「文化遺産」と「自然遺産」の違いついて見ていきました。この他にも「複合遺産」や「危機遺産」など「世界遺産」と一口に言っても、種類によって分類がされています。ぜひ、参考にされて見てくださいね。

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