主に麺類などで使われる「天かす」「揚げ玉」は、その料理の味にコクを出してくれるので、重宝している方が多いと思います。しかし、「天かす」と「揚げ玉」の違いは一体何なのか気になったことはないでしょうか。同じものを指しても、人によって呼び方に違いがあるところも気になるところです。
「天かす」と「揚げ玉」の気になる違いについて見ていきましょう。
「天かす」と「揚げ玉」の違い

「天かす」と「揚げ玉」の違いは以下の通りです。
- 「天かす」:天ぷらを揚げる時に生じる、天ぷらの衣となるはずだった揚げかすのことを指すが、「揚げ玉」と同じ扱いをされることもある
- 「揚げ玉」:水、薄力粉、鶏卵を溶いて油で揚げたもので、食品のために意図的に作ったもののことを指すが、「天かす」と同じ扱いをされることもある
- 「天かす」と「揚げ玉」には意図的に作ったか作られていないか、主に西日本で呼ばれている東日本で呼ばれているかの違いがある
意図的に作ったか作られていないかの違い
「天かす」は、天ぷらを作る際の副産物としてできたものを指しますが、「揚げ玉」に関しては食材として意図的に作られたもののことを指し、「天かす」と「揚げ玉」には、意図的に作ったか作られていないかの違いがあります。
このような区別をすることができますが、同じものとして扱われることもあるので、その辺りは念頭に入れておきましょう。
西日本か東日本かの違い
「天かす」は西日本を中心に呼ばれますが、「揚げ玉」は東日本を中心に呼ばれており、呼び方に地域の違いがあります。
「揚げ玉」と呼ぶことに対して西日本ではあまり抵抗はないとされていますが、東日本では「揚げ玉」と呼ぶのには抵抗があると言われています。これは「天かす」の「かす」があまり良いイメージを抱かない、という点に起因しているようです。
また、「天かす」「揚げ玉」の他に「揚げカス」と呼ぶ地域もあります。
「天かす」「揚げ玉」とは

「天かす」について詳しく
「天かす」とは天ぷらを揚げる時に生じる、天ぷらの衣となるはずだった揚げかすのことです。
江戸のそば屋で「天かす」を無料で提供したことが人気・話題となって日本中に広がっていったとされています。
「天かす」は、天ぷらを作ることによって作られる副産物で、偶然作られるものなので、その形や大きさはバラバラになっています。「天かす」はそのまま廃棄されてしまうこともありますが、揚げ物と同じ風味や食感を味わうことができるため、麺類などのトッピングや、お好み焼きやおにぎりの具材などに使われます。
「天かす」と「揚げ玉」は同一のものとして扱われることが多いですが、西日本を中心に全国の7割近くの方は「天かす」と呼ぶことが多いです。
「揚げ玉」について詳しく
「揚げ玉」とは水、薄力粉、鶏卵を溶いて油で揚げたもので、食品のために意図的に作ったもののことです。
「天かす」は天ぷらを揚げることによる副産物でできるものですが、「揚げ玉」は意図的に作ったものを指します。意図的に作ったものなので、形や大きさはほとんど同じになっています。
市販の「揚げ玉」は刻んだ小エビやイカを風味付けとして使用しており、この風味づけされたものを「揚げ玉」と呼ぶこともあります。
先ほども触れました通り、「揚げ玉」と「天かす」は同一のものとして扱われることが多いですが、「揚げ玉」と呼ぶのは「天かす」とは反対に東日本を中心として呼ばれることが多いです。
その使用方法は「天かす」とほとんど同じですが、関東地方では「揚げ玉」のことを「たぬき」と呼ぶこともあり、「揚げ玉」もしくは「天かす」が乗ったうどんやそばのことを「たぬきうどん」「たぬきそば」と呼びます。
「天かす」と「揚げ玉」の違いは何?まとめ
「天かす」 | 【意味】天ぷらを揚げる時に生じる、天ぷらの衣となるはずだった揚げかすのこと 【備考】天ぷらを作ることによって作られる副産物で、偶然作られるものなので、その形や大きさはバラバラになっている。主に西日本を中心として呼ばれることが多い |
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「揚げ玉」 | 【意味】水、薄力粉、鶏卵を溶いて油で揚げたもので、食品のために意図的に作ったもの 【備考】意図的に作ったものなので、形や大きさはほとんど同じになっている。主に東日本を中心として呼ばれることが多い |
「天かす」と「揚げ玉」の違いについて見ていきました。
「天かす」と「揚げ玉」は同一のものとして扱う場合もありますが、このように意図的に作ったか作られていないかを基準に区別されることがあります。「天かす」と「揚げ玉」、どちらで呼んでも意味が伝われば良いとは思いますが、この違いについて、覚えておくと何かと役立ちそうですね。


