「たいせい」と読む言葉はいくつかありますが、その中でも「体勢」「体制」「大勢」「態勢」の使い分けはかなり難しいですよね。
この場面ではどの「たいせい」を使えば良いのか、何が違うのかと迷ってしまう方が多いと思います。
この記事で、「体勢」と「体制」と「大勢」と「態勢」の違いについて見ていきましょう。
「体勢」と「体制」と「大勢」と「態勢」の違い

「体勢」と「体制」と「大勢」と「態勢」の違いは以下の通りです。
- 「体勢」:体の構えや姿勢のこと
- 「体制」:社会や組織などにおいての継続的、恒久的な構造や様式、仕組みのこと
- 「大勢」:物事の大まかな流れや傾向のこと
- 「態勢」:物事に対する身構えや態度、またそれに対する準備のこと
この中でも「体制」と「態勢」は意味が少し似通っていますが、「体制」は「継続的」「恒久的」、「態勢」は「一時的」「部分的」という違いがあります。
「体勢」「体制」「大勢」「態勢」とは

「体勢」について詳しく
「体勢」とは体の構えや姿勢のことです。
「体勢」は何かをしようとするときの姿勢やポーズのことです。「体勢」の「体」はそのまま私たちの体のことを、「勢」はその有様や様子を表しています。
「体勢が崩れる」「体勢を立て直す」「射撃体勢に入る」のように使います。
「体制」について詳しく
「体制」とは社会や組織などにおいての継続的、恒久的な構造や様式、仕組みのことです。
「体制」は全体の統一を保つための継続的、恒久的な構造のことで、この継続的、恒久的という点が重要で、後述する「態勢」とは対のような関係になっています。
「経営体制の見直しを行う」「労働体制が変わった」「新体制で次に臨む」のように使います。
「体制」には「制」という漢字が使われていますが、この漢字から「制度」などの言葉を連想すると構造や様式、仕組みと判断することができます。
「大勢」について詳しく
「大勢」とは物事の大まかな流れや傾向のことです。
「大勢」は「大まかな流れや傾向のこと」です。
少し難しいので例を出しますと、「試合の大勢が決する」という例文だと、その試合の大まかな流れを理解することができ、どちらが勝つか負けるか結果は見なくても大体は分かるという意味になります。
「大勢に従う」「この試合の大勢が決した」「大勢に影響はない」のように使います。
「大勢」と書いて「たいせい」と読みますが、「おおぜい」と読んでしまうこともしばしばあり、「おおぜい」だと「多くの人」「人数が多い」という全く違う意味になってしまうので注意です。
「態勢」について詳しく
「態勢」とは物事に対する身構えや態度、またそれに対する準備のことです。
「態勢」は「身構えや態度のこと」です。
「体制」とは異なり、「態勢」は「一時的」「部分的なもの」に限られます。「24時間たいせいで監視を行う」という文に、「体制」と「態勢」を当てはめて考えると分かりやすいです。
「24時間体制で監視を行う」という場合は、継続的、恒久的に監視をしている状態、一方で「24時間態勢で監視を行う」という場合は、緊急時の対応などによって、一時的また部分的に監視をしている状態を指します。
「体制」は継続的、恒久的、「態勢」は一時的、部分的で使い分けがされ、「警戒態勢に入る」「態勢を整える」「万全の態勢で臨む」のように使います。
「体勢」と「体制」と「大勢」と「態勢」の違いは何?まとめ
「体勢」 | 【意味】体の構えや姿勢のこと 【備考】「体勢が崩れる」「体勢を立て直す」「射撃体勢に入る」 |
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「体制」 | 【意味】社会や組織などにおいての継続的、恒久的な構造や様式、仕組みのこと 【備考】「経営体制の見直しを行う」「労働体制が変わった」「新体制で次に臨む」 |
「大勢」 | 【意味】物事の大まかな流れや傾向のこと 【備考】「大勢に従う」「この試合の大勢が決した」「大勢に影響はない」 |
「態勢」 | 【意味】物事に対する身構えや態度、またそれに対する準備のこと 【備考】「警戒態勢に入る」「態勢を整える」「万全の態勢で臨む」 |
「体勢」と「体制」と「大勢」と「態勢」の違いについて見ていきました。
「体勢」「体制」「大勢」「態勢」、どれも同じく「たいせい」と読みますが、意味は似ているようで違います。ぜひ、参考にされて見てください。


