ニュースや新聞などで「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」「トルネード」などの様々な呼び方を耳にします。
どれも熱帯低気圧のことを指しますが、この呼び方の違いは一体何なのでしょうか。
この記事で、「台風」と「ハリケーン」と「サイクロン 」と「トルネード」の気になる違いについて見ていきましょう。
「台風」と「ハリケーン」と「サイクロン 」と「トルネード」の違い

「台風」と「タイフーン」と「ハリケーン」と「サイクロン 」と「トルネード」の違いは以下の通りです。
- 「台風」:北西太平洋または南シナ海に存在する最大風速が約17m/s以上の熱帯低気圧
- 「タイフーン」:北太平洋西部に発達した熱帯低気圧の内、風速ごとに国際的な分類をしたものの1つで、最大風速が32.7m/s以上のもの
- 「ハリケーン」:北太平洋から大西洋に存在する最大風速33m/s以上の熱帯低気圧
- 「サイクロン」:低気圧の総称、もしくはインド洋・南太平洋に存在する最大風速17.2m/s以上の熱帯低気圧
- 「トルネード」:北アメリカ大陸で主に発生する大気の激しい渦巻、上昇気流、竜巻のこと
「トルネード」に関しては根本から異なり、北アメリカ大陸で発生する竜巻のことです。「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン 」はどれも熱帯低気圧のことですが、強さと発生場所が違うことによって、それぞれ名称が異なっています。
「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン 」「トルネード」とは

「台風」について詳しく
「台風」とは北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧で、かつその熱帯低気圧内の最大風速が約17m/s以上のものを指します。
熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
台風は上空の風に流されて動き、また地球の自転の影響で北へ向かう性質を持っています。そのため、通常東風が吹いている低緯度では台風は西へ流されながら次第に北上し、上空で強い西風(偏西風)が吹いている中・高緯度に来ると台風は速い速度で北東へ進みます。
–気象庁 台風とはより引用
日本では、その年に初めて発生した台風を「台風一号」として、そこから二号、三号と数えていきます。1月に初めて発生する「台風」もあれば、7月に初めて発生した「台風」もあります。
「台風」の語源については諸説ありますが、中国語の「大風(タイフン)」という言葉が有力とされています。
「タイフーン」について詳しく
「タイフーン」は北太平洋西部に存在する熱帯低気圧の内、風速ごとに国際的な分類をしたものの1つで、4つあるうちの最も風速が最大のものを指します。
その中では「タイフーン」は最大風速が32.7m/s以上のものです。
世界気象機関の国際分類では地理に関係なく、発生したものを最大風速により下から「トロピカル・デプレッション」「トロピカル・ストーム」「シビア・トロピカル・ストーム」「タイフーン」の4段階で分けています。
- 「トロピカル・デプレッション」:最大風速17.1m/s以下
- 「トロピカル・ストーム」:最大風速17.2~24.4m/s
- 「シビア・トロピカル・ストーム」:最大風速24.5~32.6m/s
- 「タイフーン」:最大風速32.7m/s以上
この区分でいくと、日本で言う「台風」は「トロピカル・ストーム」と同じ区分になります。
「ハリケーン」について詳しく
「ハリケーン」とは北太平洋から大西洋で存在する熱帯低気圧のうち、最大風速33m/s以上のものを指します。
最大風速33m/s以上なので、国際的な分類では「タイフーン」の区分になります。
この「ハリケーン」が北西太平洋に入ってきた場合は、それ以降は「台風」と呼ばれるようになります。位置によって名称が変わってしまうのでこの辺りはややこしいですね。
「ハリケーン」の語源はスペイン語の「フラカン(huracan)」の転訛とされています。「huracan」とはマヤ神話に登場する風・嵐・火などを司る創造神のことです。
- 大西洋北部および太平洋北東部→米国海洋大気局国立ハリケーンセンター
- 太平洋北中部→太平洋ハリケーンセンター
「サイクロン」について詳しく
「サイクロン」とは低気圧の総称、もしくはインド洋・南太平洋に存在する最大風速17.2m/s以上のものを指します。
最大風速17.2m/s以上ということは発生場所は違えど、「台風」と同じということになり、国際的な分類では「トロピカル・ストーム」と同じ区分になります。
サイクロンの語源はギリシャ語の「kyklon(英語ではcycle←旋回という意味)」からの転訛だとされています。
「トルネード」について詳しく
「トルネード」とは北アメリカ大陸で主に発生する大気の激しい渦巻、上昇気流、竜巻のことを指します。
日本でも「トルネード」と同じようなもので「竜巻」がありますが、日本のものよりも規模が大きいです。このトルネードは積乱雲があれば陸上・海上問わずどこでも発生し、「台風」などとは違い寿命が10分ほどと短いです。
アメリカではこの「竜巻」「トルネード」を種類で分類しています。
- 衛星竜巻
- 空中竜巻
- 水上竜巻
- 多重渦竜巻
- 陸上竜巻
「台風」と「タイフーン」と「ハリケーン」と「サイクロン 」と「トルネード」の違いは何?まとめ
「台風」と「タイフーン」と「ハリケーン」と「サイクロン 」と「トルネード」の違いについて見ていきました。
- 「台風」:北西太平洋または南シナ海に存在する最大風速が約17m/s以上の熱帯低気圧
- 「タイフーン」:北太平洋西部に発達した熱帯低気圧の内、風速ごとに国際的な分類をしたものの1つで、最大風速が32.7m/s以上のもの
- 「ハリケーン」:北太平洋から大西洋に存在する最大風速33m/s以上の熱帯低気圧
- 「サイクロン」:低気圧の総称、もしくはインド洋・南太平洋に存在する最大風速17.2m/s以上の熱帯低気圧
- 「トルネード」:北アメリカ大陸で主に発生する大気の激しい渦巻、上昇気流、竜巻のこと
意味としては同じですが、発生場所やその発生した場所から移動してしまうと名称が変わってしまうので、少しややこしいですね。しかも、最大風速でこと細かに分類されているのでさらにややこしいです。
この違いなどを自由研究などで詳しくまとめると良いかもしれませんね。皆さんの参考に少しでもなれば幸いです。