「戦争」と「紛争」の違いは何かご存知でしょうか。どちらも言葉的のニュアンス的には穏やかなものではありませんが、この意味の違いを理解している方は意外にも少ないのでは無いかと思います。
この記事で、「戦争」と「紛争」の違いについて見ていきましょう。
「戦争」と「紛争」の違い

「戦争」と「紛争」の違いは以下の通りです。
- 「戦争」:国家間で行われる軍事力を用いた武力衝突、またその状態のこと
- 「紛争」:大小に関わらず揉め事や争い事のこと、「戦争」や「内戦」よりも小規模な武力衝突、またその状態のこと
軍事的な意味合いとしては「戦争」と「紛争」は大規模か小規模かの違いとなっていますが、「紛争」は広義では大小に関わらず揉め事や争い事のことを指す言葉となっています。
「戦争」「紛争」とは

「戦争」について詳しく
「戦争」とは国家間で行われる軍事力を用いた武力衝突、またその状態のことです。
自衛や利益の確保など、理由は様々ですが、それらが引き金となって引き起こされる国家間で行われる軍事力を用いた争いが「戦争」です。国際法においては、一方の国が相手国に宣戦布告をすることによって「戦争」へと移行し、以降は当事国間には「戦時国際法」が適用されます。「戦争」はどちらかの国が敗北を認めるその時まで続き、敗戦国となった国は経済的に大きな打撃を受け、復興する事が大変困難となります。
「戦争」は、2国間だけで争われるだけでなく、第1次世界大戦や第2次世界大戦のように世界中の国が参加するという場合もあり、日本は第2次世界大戦で敗戦国となり、経済の復興に長い長い年月を要することとなりました。
軍事的な意味合いが強い「戦争」という言葉ですが、近年では「サイバー戦争」「受験戦争」「貿易戦争」などのように、争いという点では共通していますが、軍事的な意味以外にも使われています。
また、国同士の争い事ではなく、同じ国同士の争いを「内戦」と言います。
「紛争」について詳しく
「紛争」とは大小に関わらず揉め事や争い事のこと、「戦争」や「内戦」よりも小規模な武力衝突、またその状態のことです。
「紛争」は元々、揉め事や争い事などを指す広い意味を持った言葉です。なので、喧嘩や裁判で争うことなども、前述の「戦争」や「内戦」も、広義では「紛争」と呼ぶ事が出来ます。
しかし、現在では軍事的な意味合いで使われる事が多く、「戦争」や「内戦」よりも小規模な武力衝突、またその状態のことを指します。小規模というのは単に規模が小さいというだけでなく、短期間でその争いが終了した場合も含まれ、1982年にイギリスとアルゼンチンの間で起きた「フォークランド戦争」は、その戦闘行為が3ヶ月と他の「戦争」と比べて比較的短かったことから、アルゼンチンでは「フォークランド戦争」という呼称となっていますが、日本では「フォークランド紛争」と呼称しています。
「戦争」と「紛争」の違いは何?まとめ
「戦争」と「紛争」の違いについて見ていきました。
呼称 | 意味 | 備考 |
---|---|---|
「戦争」 | 国家間で行われる軍事力を用いた武力衝突、またその状態 | 軍事的な意味合いが強いが、「受験戦争」「サイバー戦争」などでも使われる |
「紛争」 | 大小に関わらず揉め事や争い事のこと、「戦争」や「内戦」よりも小規模な武力衝突、またその状態 | 現在では軍事的な意味合いで使われる事が多く、「戦争」や「内戦」よりも小規模な武力衝突、またその状態のことを指す |
ぜひ、参考にされて見てください。


