「定規」や「物差し」、「線引き」は、線を引くときや長さを測るときに主に使用しますが、これらの違いは何かご存知でしょうか。同じものを指しても地域やその世代によっても呼称が異なるこれらの言葉は、実はその用途によって使い分けがされています。
この記事では、そんな「定規」と「物差し」と「線引き」の違いについて簡単に解説をしています。
「定規」と「物差し」と「線引き」の違い

「定規」と「物差し」と「線引き」の違いは以下の通りです。
- 「定規」:直線や曲線などの線を引くとき、ものを切断するときにあてがう道具
- 「物差し」:ものの長さを測るための道具
- 「線引き」:「定規」や「物差し」を指す言葉で方言の1つ
「定規」と「物差し」の違いは、線を引くか、ものの長さを測るかのその用途の違い、「線引き」は「定規」「物差し」を指す方言で関東地方や静岡県出身の方が好んで使うことが多いようです。
「定規」「物差し」「線引き」とは

「定規」について詳しく
「定規」とは、直線や曲線などの線を引くとき、ものを切断するときにあてがう道具のことです。
あくまでも直線や曲線などの線を引くとき、ものを切断するときにあてがう道具なので、目盛りがついていないものが主流ですが、現在では目盛りがあるのも多いです。
目盛りがついている「定規」は、端よりもその内側から目盛りが始まりますが、これは線を引くときに鉛筆やボールペンなどがあてがいやすいように、わざと両端に余白を作っています。
一般的に知られている「定規」には「三角定規」や「分度器」などがありますが、この他にも用途に合わせて実に50種類ほどの「定規」があります。
- 「縮尺定規」:縮尺図面の製図や読み取りの際に使われる
- 「T字定規」:製図の際に使われる
- 「雲型定規」:複数の曲線を持っている「定規」で、通常の「定規」では描画できないものを描画する際に使われる
- 「平行定規」:航海士が海図に平行線を引く際に使われる製図用具
- 「カット定規」:ものを切断する際に使われる「定規」で、用途にもよるがDIYなどでも使われることが多い
「物差し」について詳しく
「物差し」とは、ものの長さを測るための道具のことです。
ものの長さを測るための道具なので全てに目盛りがついており、「定規」の場合は線を引く・あてがうことが目的の道具なので見やすいように両端に余白がありますが、「物差し」の場合は端から目盛りがついています。
長さを測るのが目的なので、「物差し」の形状は直線のものが多いです。
「物差し」は「定規」ほどその種類は多くありませんが「巻尺(メジャー)」や「折尺」などの種類があります。
また、ものの長さを測るための道具ということから転じて、「自分の物差しで人を測る」などの、自分の尺度で他人・物事の価値を測るという使い方もあります。
「線引き」について詳しく
「線引き」とは「定規」や「物差し」を指す言葉で方言の1つです。
「線引き」と好んでよく呼ぶのは「静岡県出身」の方が多いですが、「関東地方出身(主に東京・神奈川)」の方も「定規」や「物差し」のことを「線引き」と呼ぶことがあります。
何がきっかけでこういう呼び方になったのかは定かではありませんが、「定規」や「物差し」と同じ意味なので、耳にした際は「定規」「物差し」のことだと思いだして見てください。
「定規」と「物差し」と「線引き」の違いは何?まとめ
「定規」 | 【意味】直線や曲線などの線を引くとき、ものを切断するときにあてがう道具のこと 【備考】目盛りがついていないものが主流だが、現在では目盛りがあるのも多い |
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「物差し」 | 【意味】ものの長さを測るための道具のこと 【備考】長さを測るのが目的なので、「物差し」の形状は直線のものが多い |
「線引き」 | 【意味】「定規」や「物差し」を指す言葉で方言の1つ 【備考】静岡県、関東出身の方が呼ぶことが多い |
「定規」と「物差し」と「線引き」の違いについて見ていきました。
「定規」「物差し」は知っている方が多いと思いますが、周りに関東地方や静岡県出身の方がいたら「線引きって知ってる?」と聞いてみるとちょっとした話の種になりそうですね。
同じような意味の言葉でも実際にはその用途によって意味が違ってくるので、その意味をしっかりと理解して生活をしていきたいですね。


