何が壊れてしまったり故障してしまったときには、それを直すという作業をしますが、その作業を表す言葉として「修理」「修繕」「修復」「補修」の4つの言葉がありますよね。
しかし、これらの違いは何なのか、使い分けをどうすれば良いのかご存知でしょうか。同じ意味に思われてしまいがちなこれらの言葉ですが、実はそれぞれしっかりとした意味があり、使い分けがされています。
この記事で、「修理」「修繕」「修復」「補修」の違いについて見ていきましょう。
「修理」と「修繕」と「修復」と「補修」の違い

「修理」と「修繕」と「修復」と「補修」の違いは以下の通りです。
- 「修理」:壊れたり故障してしまったものに手を加えてまた使用できるように直すこと
- 「修繕」:傷んだり破損してしまった箇所に手を加えて繕い直すこと
- 「修復」:壊れたり故障してしまったものに手を加えて元の通りに直すこと
- 「補修」:傷んだり壊れたり破損してしまった箇所に手を加えて補ったり補強をすること、手入れをすること
「修理」は壊れたものをまた使用できるように直すという目的、「修繕」は傷んだものを繕い直すという目的、「修復」は傷んだものを傷む前の状態に戻すという目的、「補修」は壊れたり壊れやすい部分を直したり補うという目的という、それぞれ直すという部分では共通していますが、目的に違いがあります。
この中で「修理」と「補修」はほとんど同じ意味ですが、「補修」の方が直すことから補強することまでと範囲が広いです。
機能を直すのか、外観を綺麗にするのか、全く同じものに戻すのか、補強するのか、目的に応じて判断すると使い分けがすんなりとできると思います。
「修理」「修繕」「修復」「補修」とは

「修理」について詳しく
「修理」とは壊れたり故障してしまったものに手を加えてまた使用できるように直すことです。
そのままでは使うことができないものの壊れたり故障となった原因を取り除いて、また使用できるように直す、根本的な解決をするということですね。
「修理」は、電化製品や車などの機械、「無機質」なものに使われることが主で、また、全体の中で役割を担っている「機能的な役割」をしているものを直す際に使われることが多いです。
「修繕」について詳しく
「修繕」とは傷んだり破損してしまった箇所に手を加えて繕い直すことです。
「繕う」には「見た目を整える」という意味があります。
「修理」と同じように思われがちですが、「修繕」は完全に使えなくなったものを直すのではなく、そのままの状態でもある程度は使うことができますが、傷んだり破損してしまったりした箇所を直すという意味があります。応急処置でも「修繕」を使うのが適切です。
ズボンや壁に穴が空いてしまったり、古くなった屋根を新しいものに交換したりと、ある程度は使えるけど見た目を綺麗にするために直すということですね。
「修復」について詳しく
「修復」とは壊れたり故障してしまったものに手を加えて元の通りに直すことです。
「修繕」と似ていますが、「修繕」は見た目を綺麗にするために直しますが、「修復」は壊れた・故障してしまう前の元の状態に直す、という目的に違いがあります。
歴史的に価値のある建物や絵画などの風化や傷みなどを直す際に主に使われます。新たに手を加えてしまうことによって価値が下がってしまうため、「修復作業」というのは限りなく100%に近い作業が求められています。
「補修」について詳しく
「補修」とは傷んだり壊れたり破損してしまった箇所に手を加えて補ったり補強をすること、手入れをすることです。
その物が壊れたりしないように定期的に点検すること、また壊れた箇所やよく壊れる部分を補強して補うことを「補修」と言います。
「修理」とほとんど同じ意味ですが、「補修」の方が使われる範囲が広いのが特徴です。
「修理」と「修繕」と「修復」と「補修」の違いは何?まとめ
「修理」 | 【意味】壊れたり故障してしまったものに手を加えてまた使用できるように直すこと 【備考】「無機質」「機能的なもの」に使われることが多い |
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「修繕」 | 【意味】傷んだり破損してしまった箇所に手を加えて繕い直すこと 【備考】「繕う」には「見た目を整える」という意味がある |
「修復」 | 【意味】壊れたり故障してしまったものに手を加えて元の通りに直すこと 【備考】歴史的に価値のある建物や絵画などの風化や傷みなどを直す際に使われる |
「補修」 | 【意味】傷んだり壊れたり破損してしまった箇所に手を加えて補ったり補強をすること、手入れをすること 【備考】「修理」とほとんど同じ意味だが、「補修」の方が使われる範囲が広い |
「修理」と「修繕」と「修復」と「補修」の違いについて見ていきました。「修理」「修繕」「修復」「補修」どれも直すという点では共通していますが、機能を直すのか、外観を綺麗にするのか、全く同じものに戻すのか、補強するのかという目的の違いがありました。使い分けの参考になったら幸いです。


