「面舵いっぱい」と「取舵いっぱい」の意味の違いをご存知でしょうか。船の操縦であったり、車のハンドルを回す際に聞くことがあるこれらの言葉は、右に舵を取るか、左に舵を取るかの意味の違いですが、どっちがどっちの意味であるのかを知らないという方が意外にも多いのではないかと思います。
この記事で、「面舵いっぱい」と「取舵いっぱい」の違いについて見ていきましょう。
「面舵いっぱい」と「取舵いっぱい」の違い

「面舵いっぱい」と「取舵いっぱい」の違いは以下の通りです。
- 「面舵いっぱい」:船舶の航行において進行方向が右に向くように右いっぱいに舵を取ること
- 「取舵いっぱい」:船舶の航行において進行方向が左に向くように左いっぱいに舵を取ること
「面舵いっぱい」は右に、「取舵いっぱい」は左に進行方向が進むようにいっぱいに舵を取ることを指します。どちらか片方を覚えておけば使い分けに迷う事はなさそうですね。
「面舵いっぱい」「取舵いっぱい」とは

「面舵いっぱい」について詳しく
「面舵いっぱい」とは船舶の航行において進行方向が右に向くように右いっぱいに舵を取ることです。
「面舵」という言葉自体に進行方向に向かって右に舵を取ることという意味があり、「面舵」は航行の際に使用される専門用語です。海上自衛隊ではこの場合の舵角は15度です。ここに「いっぱい」という言葉が付くことによって船首が右に向くように右いっぱいに舵を取ることを意味するようになっており、この場合、海上自衛隊では舵角は30度となっています。
「面舵」という言葉の由来は、東西南北4つの方角を十二支で分けた場合に、北を上、東を右、西を左、南を下とした時に、「卯(右)」の方向に舵を取ることから来ており、元々はこの事から「卯の舵(うのかじ)」と呼ばれていました。しかし、時代が流れ徐々に呼称が転じて「面舵」と呼ぶようになったとされています。
「取舵いっぱい」について詳しく
「取舵いっぱい」とは船舶の航行において進行方向が左に向くように左いっぱいに舵を取ることです。
「面舵」と同じように、「取舵」自体に進行方向に向かって左に舵を取ることという意味があり、海上自衛隊ではこの場合の舵角も15度となっています。また同じように「取舵いっぱい」も海上自衛隊では舵角は30度となっています。
東西南北4つの方角を十二支で分けた場合に、北を上、東を右、西を左、南を下とした時に、「酉(左)」の方向に舵を取ることから来ており、元々はこの事から「酉舵」という表記でしたが、時代が流れ徐々に表記が変わり「取舵」となりました。
「面舵いっぱい」と「取舵いっぱい」の違いは何?まとめ
「面舵いっぱい」と「取舵いっぱい」の違いについて見ていきました。
呼称 | 意味 | 備考 |
---|---|---|
「面舵いっぱい」 | 船舶の航行において進行方向が右に向くように右いっぱいに舵を取ること | 東西南北4つの方角を十二支で分けた場合に、北を上、東を右、西を左、南を下とした時に、「卯(右)」の方向に舵を取ることから来ており、元々はこの事から「卯の舵(うのかじ)」と呼ばれていた |
「取舵いっぱい」 | 船舶の航行において進行方向が左に向くように左いっぱいに舵を取ること | 東西南北4つの方角を十二支で分けた場合に、北を上、東を右、西を左、南を下とした時に、「酉(左)」の方向に舵を取ることから来ている |
ぜひ、参考にされて見てください。


