「脅迫」と「恐喝」の違いは何かご存知でしょうか。日本語には似たような意味を持つ言葉が数多くあるので、「脅迫」と「恐喝」もそうですが、どんな違いがあるのか、意味を把握するのが難しいですよね。
この記事で、「脅迫」と「恐喝」の違いについて見ていきましょう。
「脅迫」と「恐喝」の違い

「脅迫」と「恐喝」の違いは以下の通りです。
- 「脅迫」:他人に何かをさせるためにその相手を脅し威嚇する行為のこと
- 「恐喝」:暴力や「脅迫」などで相手を畏怖させることによって金銭や財物を脅し取るこ
「脅迫」と「恐喝」はどちらも「その相手を脅し威嚇する行為」という点では共通していますが、「恐喝」はその後に金銭や財物の要求があり、この財産を要求するかしないかが「脅迫」と「恐喝」の大きな違いとなっています。
「脅迫」「恐喝」とは

「脅迫」について詳しく
「脅迫」とは他人に何かをさせるためにその相手を脅し威嚇する行為のことです。
具体的には「殺すぞ」「ネットに写真をばら撒くぞ」「爆破するぞ」などが「脅迫」に当たります。
「脅迫」は上記の通りですが、日本の刑法に於いての「脅迫」は「相手またはその親族に対して生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知のこと」を指しており、上記の意味とは意味合いが若干異なっています。またこの際に、相手が恐怖心を感じるかどうかは関係がありません。
「相手」もしくは「その親族」に対してのみに使われる言葉なので、「友人」や「知人」に対しての告知は「脅迫」とは言わず、またそれによって「脅迫罪」も成立しません。
日本の刑法第222条に於いて、「脅迫」をしたものは「脅迫罪」として、生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」と記載がされています。
「恐喝」について詳しく
「恐喝」とは暴力や「脅迫」などで相手を畏怖させることによって金銭や財物を脅し取ることです。
具体的には「ネットに写真をばら撒かれたくなかったら明日までに100万円用意しろ」「子供を殺されたくなかったら1億円を用意しろ」「秘密を公害されたくなったらお前が持っている機密データをよこせ」などが「恐喝」に当たります。
「恐喝」は「脅迫」とは異なり、「相手」もしくは「その親族」に限らず使うことができ、「友人」や「知人」に対しても同様に使うことができます。
日本の刑法249条に於いては「人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する」と記載がされており、科される罪に関しても違いがあります。
「脅迫」と「恐喝」の違いは何?まとめ
「脅迫」 | 【意味】他人に何かをさせるためにその相手を脅し威嚇する行為のこと 【備考】「脅迫」をしたものは刑法の「脅迫罪」として2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される |
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「恐喝」 | 【意味】暴力や「脅迫」などで相手を畏怖させることによって金銭や財物を脅し取ること 【備考】「恐喝」をしたものは刑法の「恐喝罪」として十年以下の懲役に処される |
「脅迫」と「恐喝」の違いについて見ていきました。ぜひ、参考にされて見てください。


