魚料理や鍋料理によく使われる青い柑橘類の「かぼす」と「すだち」、これらの違いは何なのかご存知でしょうか。値段や見た目がほとんど同じなので、「かぼす」と「すだち」を混同している方も多くいますが、しっかりと違いがあります。
この記事で「かぼす」と「すだち」の違いとその特徴について一緒に見ていきましょう。
「かぼす」「すだち」とは

「かぼす」について詳しく
「かぼす」とはミカン科の常緑広葉樹の柑橘類のひとつです。
ほとんどは「かぼす」「カボス」の平仮名または片仮名で表記をしますが、漢字で「臭橙」「香母酢」と表記をすることもあります。
食用とされる「かぼす」の果実はおよそ100~150gで、大きさはテニスボール程の球体、果実は緑色の果皮で厚く覆われています。日本においての「かぼす」の収穫量の9割以上は「大分県」で、後に「愛媛県」「宮崎県」と続き、8月から10月頃に旬を迎えます。多汁で酸味が強いのが特徴で、魚料理の薬味に果汁を垂らしたり、清涼飲料水、ジュース、ケーキなどの加工品の香りづけなどにもこの果実・果汁が使われます。
「すだち」について詳しく
「すだち」とは「かぼす」と同じくミカン科の常緑広葉樹の柑橘類の柑橘類のひとつです。
こちらも「すだち」「スダチ」と平仮名または片仮名で表記をすることがほとんどですが、「酢橘」と漢字で表記することもあり、元々は「酢橘(すたちばな)」と呼んでいました。
食用とされる「すだち」の果実の重量はおよそ30~40gで、大きさはゴルフボールを少し下回る球体で、緑色の果皮で覆われています。日本の「すだち」の収穫量の9割以上は「徳島県」で、「かぼす」と同じく8月から10月頃に旬を迎えます。「すだち」は「ライム」に近いさっぱりとした酸味が特徴的で、刺身や焼き松茸の垂らして料理のアクセントに使ったり、果皮を摩り下ろして料理に添えたり、といった使い方がされています。
「かぼす」と「すだち」の違い

生産地の違い
「かぼす」の収穫量のほとんどは「大分県」、「すだち」の収穫量のほとんどは「徳島県」という、生産地の違いがあります。両者とも日本においての収穫量の9割以上を占めているので、覚えやすいですね。
「徳島県」では「すだち」の花が県花に指定されている他、「すだちくん」という徳島県のイメージキャラクターもおり、「大分県」でも「カボたん」というマスコットキャラクターがいます。
大きさ・重さの違い
「かぼす」と「すだち」はその大きさと重さに違いがあります。
「かぼす」はおよそ100~150gで、大きさはテニスボール程の球体で、「すだち」はおよそ30~40gで、大きさはゴルフボールを少し下回る球体です。
「かぼす」と「すだち」が並んでいたら基本的には大きい方が「かぼす」、小さい方が「すだち」と簡単に見分けることができ、また重さでも簡単に判断することができます。
適した料理の違い
「かぼす」と「すだち」はその酸味の特徴から適した料理に違いがあります。
どちらも酸味がありますが「かぼす」はまろやかな強い酸味なので、ジュース、ケーキなどの加工品の香りづけやポン酢に垂らしたりと、酸味を活かすことができるものに使うと良いです。
「かぼす」は酸味、「すだち」は酸味もありますが、どちらかというと香り、という位置付けですね。
「かぼす」と「すだち」の違いは何?まとめ
「かぼす」 | 【意味】ミカン科の常緑広葉樹の柑橘類のひとつで、およそ100~150gで、大きさはテニスボール程の球体 【備考】収穫量の9割は「大分県」で、多汁で酸味が強いのが特徴なので、魚料理の薬味に果汁を垂らしたり、清涼飲料水、ジュース、ケーキなどの加工品の香りづけなどで使用される |
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「すだち」 | 【意味】ミカン科の常緑広葉樹の柑橘類のひとつで、およそ30~40gで、大きさはゴルフボールを少し下回る球体 【備考】収穫量の9割は「徳島県」で、さっぱりとした酸味が特徴的なので、刺身や焼き松茸の垂らして料理のアクセントにしたり、果皮を摩り下ろして料理に添えたり、といった使い方がされる |
「かぼす」と「すだち」の違いについて見ていきました。
混同してしまいがちな「かぼす」と「すだち」ですが、こうやって見ますと簡単に見分けることができそうですね。生産地や適した料理などの違いもあるので、覚えておくと生活に役立つと思います。


