日本語には似たような意味を持つ言葉が数多くあり、それらの使い分けが難しいところですが、その中で「断然」と「俄然」、この2つもその内の1つだと思います。意外と使う機会が多い言葉ですが、実は意味を混同したりと、誤用が多い言葉として知られています。
この記事で、「断然」と「俄然」の違いについて見ていきましょう。
「断然」と「俄然」の違い

「断然」と「俄然」の違いは以下の通りです。
- 「断然」:自分の意思や態度をはっきりとさせること、キッパリとした様子であること
- 「俄然」:急に、突然に、今までの状態がガラリと変わること
誤用が多い「断然」と「俄然」ですが、意味は全く異なります。「俄然」の「俄」は「にわか」と読み、突然降り出してすぐに止んでしまう「にわか雨」の「にわか」で使われているので、これを思い浮かべると意味の理解や使い分けがしやすいです。
「断然」「俄然」とは

「断然」について詳しく
「断然」とは自分の意思や態度をはっきりとさせること、キッパリとした様子であることです。
「断然」の「断」は、「断固拒否」「断じて」などでも使われているように、自分の意思や態度をはっきりさせる際に使われており、「断」が使われている「断然」にもそのような意味が内包されています。
似たような言葉に「断トツ」というものがありますが、これは「断然トップ」の略称で、「他のものの追随を許さないほどかけ離れている様子」を表す言葉となっています。
「断然」の意味は上記のものですが、語幹や字面が後述する「俄然」と似ているため、意味を混同して使ってしまったり、「俄然」の意味を「断然」の意味として覚えている方が多く、間違えやすいので、使い分けには注意が必要です。
「俄然」について詳しく
「俄然」とは急に、突然に、今までの状態がガラリと変わることです。
「俄然」は、何かが影響して今までの状態がガラリと変わることを指す言葉です。「俄然やる気が湧いてきた」などの使われ方をされることが多いですが、この場合は「突然やる気が湧いてきた」という意味になり、「かなりやる気が湧いてきた」などの意味ではないので注意です。
「俄然」の「俄」は「にわか」と読み、突然降り出してすぐに止んでしまう「にわか雨」の「にわか」でもあります。前述の「断然」との使い分けで迷った場合は、この「にわか」という読みから「にわか雨」を連想すると、意味が分かりやすく、また使い分けもしやすいです。
「断然」と「俄然」の違いは何?まとめ
「断然」 | 【意味】自分の意思や態度をはっきりとさせること、キッパリとした様子であること 【備考】「断」という漢字は自分の意思や態度をはっきりさせる際に使われる |
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「俄然」 | 【意味】急に、突然に、今までの状態がガラリと変わること 【備考】「俄然」の「俄」は「にわか」と読み、突然降り出してすぐに止んでしまう「にわか雨」の「にわか」 |
「断然」と「俄然」の違いについて見ていきました。ぜひ、参考にされて見てください。


